サッカー(ヴェルディ)以外の日常を綴ります。
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Mon
2012.07.16
15:18
 
海炭市叙景

北海道の地方都市を舞台に綴られる短編連作。
海と山に囲まれた架空の都市「海炭市」。
そこに暮らす人々の様々な人間模様を丁寧書き記した作品。
多くの仕事を通して、
不器用にも行き抜こうとする人々の姿を鮮明に映し出している。
若くして命を自ら落とした佐藤泰志の遺作にして傑作。
すでに映画化もされた話題作だ。


まず最初に驚いた事。
本作が遺作とは知っていたが、
実はまだ未完の作品であったのだ。
つまり生きていれば続きがあったという事。
構想ではまだ半分ぐらいしか書き上げていなかったらしい。
心持半ばで終ってしまった作品。
これをどう解釈するかは非常に難しい様にも思う。
読んでみれば分かるが、
確かに読後感は通常とそれとは異なり、
大きな含みを感じるであろう。
一見すると関わりのない短編が、
最終的に結びつくのであればその過程を読みたかった。
もちろんそれを裏切るだけの偉大な作家でもあるのだけれど。
とにかく作者しかしりえない物語の結末を読めなかったのは、
やはりとても残念だ。
しかしそれでも作品は非常に生々しく、
佐藤泰志が生きた証が確かに詰っている。
彼が描きたかった海炭市。
おそらくは彼の故郷である函館。
その風景は決して色褪せてはいない。


あとがきにも書かれている事であるが、
本作では故郷と仕事。
この2つの要素が色濃い。
孫が出産間近の市電運転手、
空港で働く都市に憧れを持つ少女、
故郷に舞い戻った妻子に、
父親の家業を継いだ燃料店の男。
バブル(作品の中の時代背景)とは無縁の人々が、
北海道の地方都市という活況ない場所で懸命に生きる。
まるで現代の地方過疎化を予見するような、
生きる事の厳しさを感じざるを得ない。
炭鉱業は衰退し観光でしか発展を見い出せなくなってしまった都市。
そんな寂れゆく街の風景をドライに書く事で、
佐藤自身も故郷の先々を憂いでたのかもしれない。
それでも仕事に就き、
必死に行く抜く事が人の生きる道だと説いているようだ。


僕は仕事に関してそこまでの想いはないのだが、
生きて行く過程で避けては通れない事なんだとは強く思った。
しかしそういった事だけでなく、
ただ単純に佐藤泰志という作家の放つ独特の優しさが僕は好きである。
時に冷たく表現される人間関係。
荘厳な自然と汚い人間の欲望。
そしてそれをも包み込む人の温もりや柔らかさ。
僕は死後になってから彼の作品と出会ったタイプ。
死んだ人間と分かりながら読んでいるからこそ、
彼のそこはかとない優しい文章に惹かれてしまうのかもしれない。
未完の傑作。
冷たい海炭市の風景は、
著者の力によって温かく生まれ変わった。 
Category * BOOK
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Sun
2012.06.24
13:21
 
4048866583.jpg


人気シリーズ3作目。
鎌倉に古くから構えるビブリア古書堂。
そこで働く美人店主・篠川栞子とアルバイトの五浦大輔。
彼らの元に訪れる人達の人間模様と、
古本の持つ不思議な魅力が詰った作品。
3作目では失踪した栞子の実の母についても事態の進展が!?
栞子と大輔の淡い恋の行方も気になる作品である。


最初にバラしてしまうと、
まだ本シリーズは続くようだ。
だからこれで完結ではない。
なかなか引っ張るな。
もうそろそろ終わらせたらどうだろうと思うのは自分だけであろうか!?
今回は導入部分を除き、
大きく3つのエピソードからなる。
もちろんどれも古本からなる話である。
そして随所に栞子の観察眼が光るのも期待を裏切らない。
美しくて知的なながらも、
いまいち抜けいている栞子。
唯一人が変わるのは本について語る時である。
本にまつわる事柄についての洞察力は半端ではない。
それ以外に関しては、
とてもでないが奥手もいい所なのだが…。
そんな不思議な女性に密かに惹かれている五浦であるのだが、
今回も進展はゆっくりだ。
ゆっくりながらもおっという場面も。
今回は2人でお酒を飲みに行く。
彼女がお酒を呑むのも意外だはあるのであるが、
その呑みっぷりもまた注目して欲しい。
個人的にはNo.1萌えポイントであった(笑)。


さて今回のエピソードで目立ったテーマは、
ギクシャクした家族の絆。
タイトルの消えない絆は、
たぶんそれを意識しているのであろう。
例えば親から反対をされながらも結婚した娘の感情。
例えば遺産相続で揉め仲が悪くなってしまった兄弟。
身近にありそうな家庭内の歪が描かれている。
理由は千差万別だ。
お金だったり環境だったり…。
ただそうであっても家族の絆は消えないのだぞっていう話である。
表面上はお互い突っ張っていても、
実は本音では家族を思う気持ちは消えない。。。
思わず仰け反ってしまうような素直なお話。
僕のような汚れてしまった人間には大よそ似合わない話だ。
それでもこのシリーズを通して嬉しく読んでいるのは、
全編を通して変わらない読みやすさと、
さらには本を読みたくなるような空気感がある事だ。


本というのは何も名作ばかりを読むのが良しとは限らない。
時には下らない本を読んでも構わないし、
あるいは大好きなあの娘が読んだ本を便乗して読むのも吝かではないだろう。
なんだかベタだし人気先行な感じもする本書だけれども、
一貫して本を身近に感じられる部分は、
何だかとても素敵だと思っている。
そして結局次回作も買って読んでしまうのだろう。
結局は作者が一番策士なのかもしれない。 
Category * BOOK
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Sun
2012.06.24
12:27
 
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長きに渡る日本経済の低迷は、
政党や政策によるものではなく、
明治時代のまま推移し続けている既存の体制によるものではないのか。
府政と市政が混在する二重行政が問題視されている現状の大阪府を改編し公務員改革を断行する。
今話題の大阪都構想が如何なる事かを、
元大阪府知事・現大阪市長の橋下徹が語りつくす一冊。
知っているようで知らなかった大阪都構想、
あるいは大阪維新の会の基本方針。
そして橋下氏の考えるヴィジョンが分かりやすく書かれている。
堺屋太一氏との対談も。


珍しく政治ものである。
もともと橋下という人間は、
テレビなどで見かける軽薄なタレント弁護士でしかなかった。
府知事に立候補した時も、
東国原元宮崎県の二番煎じ感は否めなかった。
就任当時の彼の発言に関しても、
パフォーマンスとしてしか受け止められていなかった様に思う。
それが今やどうか?
府民に留まらず、
日本全土に支持層を拡大。
同氏の人気を各政党がこぞって利用しようとしているのは明白だ。
どうしてここまで存在感を獲得するに至ったのか。
それが知りたくなったので読ませて頂いた。
初めに断わっておくが、
自分は右でも左でもなく、
どこの政党にも肩入れしない無党派層。
政治から遠い種の人間である。


そもそも大阪都構想とは何なのか?
正確に把握している人間がどれくらいいるのか?
非常に怪しいと僕は睨んでいる。
字面から東京への対抗心だとか思っている関東の人間もいるかもしれない。
橋下氏や大阪維新の会を賞賛するにせよコキ落とすにせよ、
まず彼らの考える骨子を理解するのが先であるとは考えている。
大阪都構想の背景にある大きな考え方として、
どんなに優れた政策を施行しようとも、
施行する組織の体制がしっかりと構築出来ていなくては、
未来的な繁栄は成し得ないとしている。
同氏は現状の中央集権型体制を厳しく批判する。
現在の日本の政策・行政は、
すべてが永田町と霞ヶ関がコントロールする構造となっている。
デフレ経済やGDPの低下、
借金の増加や高齢化社会など…。
多種多様な問題をすべて中央が抱えるのはおかしいという。
本来であれば複雑な現代社会ゆえに、
地方ごとに細かな対策が必要。
国が画一的に決めた対策を全国が揃ってならった所で、
各地方に適した方法とは限らなくなりいずれ行き詰ると指摘している。
橋下氏が考える前提は、
役割分担を明確にした上で、
権利と責任を課すべきという事なのだ。
そういった意味で『地方分権』の考え方を推奨し、
国は国がすべき国全体の意思決定に従事すべきであり、
地方がすべき決定事項は地方に委譲すべきと唱えているのだ。


その縮図とも言えるのが本題である、
現状の大阪府と大阪市の二重行政である。
「府市あわせ(ふしあわせ)」と呼ばれる現象は、
大阪府の中に大阪市という独立した意思決定組織が存在している事。
それゆえにひとつのエリアの中に同様の施設が、
市と府2つも乱立していたり、
あるいは府全体の政策が施行されようにも、
市内だけは市独自の意思決定を持つがために、
それだけが切り離されてしまっているのだ。
大阪都構想は一度現状の体制を壊し、
改めて再構築する考え方である。

大阪府庁も大阪市庁も解体して、
新たな大阪都庁にする。
そして大阪市内にある二十四区は中核市並みの権限と財源を持つ八区ほどの特別自治区に再編する、
そして周辺市にも中核市並みの権限と財源を移譲するというものです。
都は大阪全体の成長戦略や景気対策・雇用対策・インフラ整備などの広域行政を行い、
特別自治区は基礎自治体として、
教育や医療・福祉といった住民サービスを受け持つことになります。


要するに簡単にいってしまえば、
適材適所で責任と分担をすべきだと言っているだけなのである。
ここぞっていう大きな案件にはトップが判断するけれども、
きめ細かな案件は日頃から肌で感じている現場が判断してよねって事。
大阪府はそれが極めて曖昧であったのである。
本で書かれている内容はひとつ。
まず組織体制を変えましょうよ。
そのひと事に尽きるのである。


はっきり言って細かな事例はあれど、
大枠では現状の体性を変えるべきという主張が目立つ。
そういった地方分権さらには県内での体制改善をする事で、
世界レベルの都市間競争に打ち勝つのだと唱えている。
まずは大阪から変えるのだ。
そのビジョンは明確であり、
思った以上に正当性もあった。
考えてみればいくつもの政党が変わり、
いくつもの政策が掲げられてきたけれども、
一向に景気改善が成し遂げられていないのは本当である。
いやいや、
そもそも組織としての在り方が時代遅れなんだよ。
トップが全部決めるのではなく、
細かな部分は各々の部署で考えましょうよ。
なんだがビジネス論にも当てはまりそうだ。
なるほど橋下氏。
全うな事を分かりやすく唱える。
人気が出るわけだ。
まぁ。
本音は知らないけれど…。
ちなみに元大阪市長をネチネチと批判する場面と、
堺屋太一の部分は正直いらなかった。



 
Category * BOOK
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Tue
2012.06.12
17:34
 
電車


今回は『仕事』をテーマにお話をしよう。
たまには真面目っぽく偽装するのが僕の常套手段だ。
特段何かしらの効果を促すような事はないのけど…。
さて。
誰かへ自分なりの仕事の位置づけを伝える際に、
僕がよく使う言葉がある。
『仕事は生活(人生)の手段であって、
生活(人生)そのものであってはならない。』

…である。
まぁ当然であると言えば当然。
しかしそれがなかなか守られないのも否定できないだろう。
職種によって差はあれど、
概ね1日の活動の中で仕事に割かれる割合は多い。
さらに週5日の勤務が平均値である。
もともと仕事をしている時間は多いのだ。
職場の仲間とは毎日顔を合わせるし、
そもそも生活習慣も仕事のルーティーンによって決まっていく。
いきなり発言を否定する様であるが、
仕事が日常生活へもたらす影響力は相当高いのである。


ではだからと言って、
人生そのものを仕事に捧げる気は個人的に一切ない。
ともすれば仕事で染まってしまいそうな日常を、
僕は常に自分色へと手繰り寄せようとしている。
少したとえ話をしてみよう。
生活(人生)は旅行だ。
一方で仕事は交通手段。
どんな乗り物に乗るかが職種といった具合だ。
飛行機や鉄道は、
その名の通り旅行をするための交通の手段である。
旅をするために乗り物に乗るのであって、
乗り物に乗るのが目的ではない(多くの場合は)。
イタリア旅行を企画しているのにも関わらず、
航空会社をどこにするに注力するのは、
何だか違和感があるだろう。
それと同様に仕事に注力しすぎてしまい、
生きるうえで必要な様々な物事を御座なりにしてしまうのは、
本末転倒とは言えないだろうか。


しかしながら現実の仕事となると、
飛行機会社云々とは異なる部分もある。
前述でも指摘した様に、
多くの人にとって仕事は、
旅行で利用する乗り物よりも身近な習慣であるからだ。
加えて上手く職場と相性が合えば大きな意義も生まれる。
仕事に邁進する事で社会人としての博識を深めるかもしれない。
職種やその人のポリシーによっては、
仕事こそ目指すべき人生の中心という場合だってある。
以上の事からも、
仕事が僕らに与えてくれる事は計り知れないのは理解出来ている。
仕事が生活の優先順位の最上位となるのは悪い事とは限らない。


それでも個人的な考え方としては、
やはり仕事は手段なのである。
僕には自分自身が気づいていない何かを含めて、
他にすべき事が沢山ある。
例えば最近であればランニング。
みなさんご存知の様にヴェルディ。
そしてまだ見ぬ未来の家族との時間。
そういった僕の大切な生き甲斐を、
仕事が奪ってしまっては駄目なのである。
だってそういった生き甲斐を愉しむために、
仕事をしてお金を得ているんだから。
でも残念ながら、
この事を理解出来るにせよ、
実践が出来ていなかったりする。
大切な時間を作り出すために仕事をしているつもりが、
いつのまにか仕事に忙殺されて大切な時間を失ってしまう。
理由は前述の通り。
だからそうならないために、
僕はたまに大きく深呼吸する。
それから今本当にしたい事を真剣に考える。
そうすると不思議と仕事も何だか有意義で楽しくなったくるんだな。
もし今の仕事が、
本当にしたい事を妨げるとするならば、
遅かれ早かれララバイすべきだ。
仕事で病むなんて勿体無い。
そんな事を思う今日この頃でした。 
Category * BOOK
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Mon
2012.06.11
16:59
 
そこのみにて光輝く


夏の函館。
ニートの達夫は、
パチンコ屋で間抜けなチンピラ拓児と出会う。
きっかけはライターは貸してあげた事。
ただそれだけだ。
拓児は両親と姉の4人で、
今なお廃墟のようなバラックに住んでいた。
痴呆で廃人と化した父親は皮肉にも性欲だけを残し、
母親はその欲望を受け入れる。
姉は体を売ることも厭わないホステスとして一家を経済面で支え、
当の拓児は山から勝手に抜いてきた高山植物を売っている。
もちろん金になんてなりやしない。
そんな底辺の家族と出会い、
達夫は次第にそこへと導かれていく。
そこへと導いたのは拓児の姉の千夏。
彼女と泳ぎ体を交えた日から、
達夫の苦しくも美しい時が流れ出す。
若くして命を落とした作家・佐藤康志の幻の名作。


佐藤康志は、
41歳の若さで生涯を自ら閉じた孤高の作家である。
5度の芥川賞候補になりながら一度も受賞する事がなかったのでも有名だ。
個人的に気だるい夏の青春劇を書かせたら右に出る人はいないと思う。
特に泳ぐというセンテンスと青春群像を重ね合わせた手法は、
佐藤作品でよく見られる。
本書もそうだ。
プールと海が実に印象的に描かれている。
個人的には特に業績不振の造船所に嫌気が差し退社した達夫が、
拓児の姉である千夏に初めて出会ったシーンが記憶に残ったので紹介したい。
達夫が偶然出会った拓児の家についていく場面から物語は始まる。
海鳴りが酷い函館の町。
開発から取り残されたバラックに住む拓児の姉千夏と、
その時初めて出会った。
年齢を感じさせる体型と、
それ以上に疲労を漂わせる女の匂い。
彼女の作るチャーハンは、
とにかく官能的だ。
すると、
なぜか千夏は帰る達夫を追ってきた。
そして2人で今から禁止区域の海で泳ごうと約束するのである。
その日は結局気まぐれな達夫が、
千夏を置いて勝手に帰ってしまうのだが、
その時から千夏の事を達夫は忘れられなくなってしまう。
我慢できずに拓児のバラックに海パン一枚で行ってしまうのは、
ちょっと滑稽でもありまた達夫の変化を如実に表している。
そして早くも2人は海辺で結ばれてるのであるが、
海を背に行われて2人の行為は、
とても情熱的であり感傷的であり、
なにより儚さを孕んでいる。
時代に取り残され無気力な若者の、
ぶつけどころのない欲望が重なりあった様にも思えた。


達夫は経営不振の仕事場に嫌気が差し退社。
定職もつかずにブラブラする完璧なニートだ。
おおよそ将来の夢を持つ事など忘れていまっていた。
一方の千夏は、
体を売ることもある底辺のホステス。
彼女も自分自身の夢やプライドは諦め、
まさに身を削って生活してきたのだ。
そんな夢を見失った2人は、
偶然にも出会い必然的に惹かれあい、
そして隠されていた情熱を再び照らし始めるのである。
お互いが結びつく事で初めて光り輝く。
タイトルの意味は、
きっとそんな所だろう。


いまさらではあるが本作は2部構成になっている。
1部は達夫と千夏が出会う話だ。
そして2部は、
2人が結婚してからの話である。
2部では奔放だった2人が、
いきなり平穏な生活の中に生きている。
子供を設け達夫も普通に仕事をこなす。
諦めていたはずの日常を手にしているのだ。
そんな中でひとり変わらない人間がいる。
千夏の弟拓児だ。
彼を一言でいうなら飾らない馬鹿。
山で採取した高山植物を売るなんていう馬鹿げた商売を馬鹿正直にしているのだ。
しかも売るより育てる方が好きなんていう柄でもなくカワイイ面もある。
祭りが好きでテキヤみたいな格好の荒くれモノ、
でも実は家族思いだし友人思いだし超良い奴。
姪っ子へ幼児向けの雑誌をプレゼントし破顔する。
その憎めなさは半端ない。
物語を通して拓児の存在は非常に大きなウエイトを占めているのだが、
2部では特にその色合いが大きくなった様に思う。
彼はある男を達夫に紹介する。
サウナで出会った中古車を売ってくれるというサングラスの男である。
その男が、
また平穏だった日常に新たな情熱をもたらして行くのだ。
新たな希望といっても良い。
それが何かは読んで知ってくれれば良い。
いずれにせよ達夫と千夏、
少しだけ距離をおいて拓児の3人が織り成す物語は、
北海道の地を舞台に実に美しく書かれている。
佐藤泰志らしい作品だった。
ますますファンになってしまった。 
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