サッカー(ヴェルディ)以外の日常を綴ります。
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Wed
2012.07.04
17:45
 
黒烏龍茶


広告で飯を食っている立場上、
その表現には細心の注意を払っている。
初校・再校・色校といった社内校正はもちろん、
メーカー校正も徹底させている。
新聞出稿であれば、
厳しさに差はあれど媒体社の校閲も加わる。
何重もの監視を経て、
不当表示・優良誤認のない広告物となる様に努力している。
社内的にも個人的にも、
法令に遵守した制作姿勢を、
徹底しているつもりだ。
なんせ無店舗販売の通販は、
言葉のみがエンドユーザーと繋がる術である。
対面販売以上に真摯になるべきだし、
言葉でお客様を欺く事は絶対にあってはならない。
それが故意でないにせよ。


その上で、
疑問に感じざるを得ない事がある。
我が国における広告審査は果たして妥当なのか!?
先日消費者庁がサントリー食品インターナショナルに対して、
ある改善要望書を送った。
当該商品は、
特定保健用食品「黒烏龍茶」。
指摘された媒体は主に波の広告と思われる。
改善要望の内容は、
アニメの主人公が「脂肪にドーン」とひとさし指を突き出す場面と、
「食べながら脂肪対策」というテロップ。
偏った食生活を助長する恐れがあり不適切と指摘を受けたのだ。
乱暴な解釈をすれば、
これを飲めばジャンクフードを食べても問題ないと誤解するという事。
この部分が一種の優良誤認の広告とされたのだ。
ちなみに黒烏龍茶は所謂トクホ。
消費者庁から健康の維持や促進に効果が認められている飲料である。
具体的には、
食後の血中脂質の上昇を抑えるという表現が認可されている様だ。
今回の騒動は、
許可された表現の範囲を逸脱しているかが争点である。
さてあのCMの表現は、
トクホの枠を超えているのか否か…?


その答えは残念ながらハッキリしている。
消費者庁が言うなら妥当。
サントリー側に反論の余地は現実問題ほとんどないはずである。
恐らくもうすぐCM自体見ることはなくなるであろう。
客観的な事実の虚偽でない場合、
つまり前後から推測される状況から、
実際に優れているのと感じるか否かといった感覚には、
残念ながら明確な尺度は存在しない。
消費者が読んで勘違いをしてしまった時点で、
ともすれば優良誤認に該当してしまうのである。
つまりは受け手の感覚次第で、
不当な広告になってしまうという訳。
当然、
それでは人によってバイアスが生じる。
そして誤差があるからこそ、
公的機関が代表して審査しているのだ。
民間がやれば、
絶対に不公平感が生じる。
国がジャッジすればある程度はフェアになるのだろう。
よって、
その制度自体には異論はない。
ただ広告主として表現の可否を任せている以上、
納得出来るような裁定をして欲しいのだ。
今回最も言いたいのは、
その一言に限る。


個人的な見解では、
黒烏龍茶のCMが、
偏った食生活を助長するとは思えない。
偏った食事を好む人に対して、
是正を脅迫している様には感じたが、
偏った食事を食べてもOKとまでは感じられなかったからだ。
明確な根拠はなく率直に感じた印象ではあるが…。
だからハッキリ言って、
僕の中ではセーフの広告表現。
サントリーには、
同情の念を禁じ得ない。


そもそも広告というのは、
商品やサービス・存在を、
受け手に評価してもらう手段である。
限られたスペースで、
これこれはこんなに優れていると、
必死に知恵を絞って伝えるからこそ、
有益なツールになるのだ。
その熱意は時に人々を魅力する。
文化の範疇に広告が位置づけられるのは、
そういった側面があるからだろう。
もちろん事実でない事は謳ってはいけないが、
法令順守の枠の中で、
気持ちを込めて完成したクリエイティブは、
絶対に守られるべきだと思う。
それは広告自体の存在意義に関わる、
非常に重要な事ではないだろうか。
つまり何が言いたいかと言えば、
現代の広告業界は、
消費者を守る表現規制のみが過剰に厳格化され、
広告で認めらるべき表現の自由が阻害されていると感じているのだ。
まるでレバ刺しの規制の様ではないか。
後から問題にならぬよう、
本来規制されるべきブラックな広告の枠よりも、
かなり大幅に…、
グレーを超えてシロの広告まで規制してしまっているのだ。


実際に広告の現場に携わる人間として、
極めて理不尽な審査を受ける場合がある。
これは公民問わず。
だいたい国家機関や媒体者の指導は、
こちら側の主張は受け入れられない。
目をつけられたら、
それはもう諦めるしかないのだ。
ただ納得いかないモノは納得出来ない。
特に腹立たしいのは、
審査基準が消費者保護という観点ではない場合。
前述のレバ刺しに例えた通りだ。
審査する人間が、
ラクするための判断基準が多すぎるとも思う。
例えばの話。
画一的に使用前・使用後の写真を禁ずる媒体がある。
これには以前より虚偽の写真が使われる事が多発したり、
健食や美容用品の様に使用する個人によって差が生じてしまうという問題が背景にある。
がしかし、
それに当てはまらない商材もある。
ウチの会社では薄毛を隠す粉末があるのだが、
そんなモノは黒い粉を頭皮に振りかけているだけ。
まさに客観的事実だ。
嘘はないし健食のように個人差もない。
それでも他と同様に使用前・使用後の表現は許されない。
なぜなら使用前・使用後はすべてNGだから。
コピーの表現にも露骨なケースがある。
最上級表示は基本的に駄目なのであるが、
それに付随して「高」の表現にも規制がかかった。
高品質や高性能、
あるいは高音質など。
高という漢字が含まれたワードは全部駄目。
高品質や高音質が、
優良誤認をさせる言葉に聞こえるだろうか!?
僕はそれが優良誤認と感じてしまう感性こそ疑ってしまう。
さらに高性能を良性能、
高品質を良品質と勝手にアカを入れてくる媒体もある。
そんな変な日本語を使うほうが、
よっぽど消費者を惑わしていないだろうか。


僕は強く思う。
自分達のリスク回避ばかりの広告規制は、
我が国の広告の質を落し続ける。
昭和時代は多くの素晴らしいコピーライターやデザイナーがいた。
海外の広告賞も獲得してきた。
そんな素晴らしい日本の広告が、
自らのショボイ審査で衰退してしまうのが悔しい。
黒烏龍茶はあくまで一例だ。
今一度良い広告と何かを考えて欲しい。
消費庁も公正取引委員会も市の衛生課も、
テレビ局も新聞社も広告代理店も、
もちろん受け手も作り手も。
今のままでは発展はないと思う。
僕は素敵な広告がたくさんある世の中を望んでいる。
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