サッカー(ヴェルディ)以外の日常を綴ります。
http://cycun1944.blog.fc2.com/
--
--.--.--
--:--
 
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
編集[管理者用] このページのトップへ

 

Sun
2012.04.29
19:57
 
宵山万華鏡


宵山は妖しく眩い幻想の世界。
私と姉は、
バレエの先生の忠告を無視して、
魅惑の宵山の世界へ足を踏みこんだ。
現実と妄想が入り乱れ次第に宵山の奥へと迷い込む。
宵山様とは?
超金魚とは?
赤い浴衣を着た少女は、
皆を何処へ誘うのか?
6つの短編を通して、
宵山に秘めらた謎が、
混沌と語られる。
京都作家として有名な森見登美彦流の、
サイコな妄想小説。

久しぶりに森見登美彦作品を読んだ。
どちらかと言えば、
きつねのはなしに通づる、
怪談的な要素が含まれた作品だ。
京都ならではの風情を活かしつつも、
見事に宵山を奇怪な世界感に変えてしまった。
同氏らしいテクニックが、
それを作りだしているのだろう。
得意のリフレイン・プレイヤーを意識したと思われる手法は、
宵山の何とも怪しげな世界観に、
より深みをもたらした様に思う。
さらに、
本作は6つのショートストーリーで構成されているのだが、
そのひとつひとつは、
独立している様にも深く繋がっている様にも読み取れる。
これも森見ファンにはお馴染みであるのだが、
今回は作者自身が夢想する宵山という世界観が固定した中で描かれている故、
より完成された長編小説に仕上がっている。


では登美彦氏が考える宵山とは、
一体なんだったのだろうか。
つらつらと語られる宵山には、
いくつかのキーワードが点在する。
特に赤い浴衣を着た金魚を思わせる少女は、
どのエピソードでも登場するのであるが、
では彼女達が何者なのかという事に関しては、
読者の想像力に頼る部分があったりする。
各ストーリーを微妙にリンクするエピソードや人物には、
いったいどの様な意味があるのだろうか。
考えるに、
ズバリ意味などないのではないか。
乙川という登場人物は、
藤田の問いかけに対して、
こんな事を言っていた。

「一つ聞きたいんだけれども、
こんな事をして何の意味があんの?」
「よくぞ訊いてくれた。
意味はないね、
まったく。」
乙川は嬉しそうに笑った。
「でも頭の天窓が開いたろう?」


これは森見作品のテーマであるとも個人的には思っている。
何もない事や意味のない事にこそ意味がある。
人って意味ばかりを追ってしまうけど、
ではその先に何があるのか?
そんなに世の中カクカクしているのか?
…っていう訓示ではないかと、
自分は勝手に受け止めている。
まぁ恐らくそんな意味はないのだろうが。


最後に。
ネタばれになるから、
あまり詳しくは書けないが、
宵山に取り憑かれた人達は、
それぞれの方法で宵山の終わりを見つけていった。
宵山の果てに見つかったのは、
例えば過去についての踏ん切りだったり、
自分でも気づかなかった気持ちだったり様々だ。
これって誰にでも起こりうる事で、
つまりは誰しも森見的宵山に迷い込む可能性はあるのだ。
という事で、
今一度注意してみよう。
朝起きて今日が宵山だったのなら。
気づかぬうち宵山から抜け出せなくなる前に…。
スポンサーサイト
 
Category * BOOK
Trackback(0) Comment(0) 編集[管理者用] このページのトップへ

 

 
Comment

 

 Secret?

 

 

 

 
Copyright © 2017 新きっと鴨はシャイ, all rights reserved.
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。