サッカー(ヴェルディ)以外の日常を綴ります。
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Thu
2012.04.05
18:57
 


まず本来は、
いつもの通りあらすじを書くつもりなのだが、
これがなかなか難儀である。
以下は自分なりの解釈である故、
誤読もあるかもしれない。
どうかご勘弁。

「わたしの仕事は、こうして着想をつかまえる事だ。」
偶然にも機内で隣り合わせた、
A.A.エイブラムスという男。
彼は蝶の様に舞う着想を、
銀糸で編まれた虫取り編みで捕まえるという、
奇怪な事を言う。
わたしは、
飛行機の中では本は読めないモノという悩みを吐露する。
エイブラムスは、
話を聞かせてろと、
わたしの頭に網を重ねる。
そんな話を元にして生まれたアイデアで、
飛行機の中で読みに限るという本が生まれ大ヒット…云々。
と、
そんな奇妙な物語は、
実はすべて「猫の下で読むに限る」の全訳であった。
著者は、
謎の多言語作家・友幸友幸。
さてはて友幸友幸とは一体!?
物語は複数のわたし、
謎の友幸友幸、
A.A.エイブラムスを通じて、
複雑に交差する。
果たしてストリートの終着点はどこに!?
複雑なストーリーで物議を醸した話題作。
第146回芥川賞受賞作。


最初に白状してしまうと、
半分も理解していないと思う。
複雑すぎる。
そもそもストーリーには、
誰がいつどこで何をしてという、
当たり前の基準がないのだ。
自分は事前の情報がなく読み始めたので、
かなり戸惑った。
思いっきり帯を締め直して読ませていただいた。
よくも悪くも、
こんな妙な小説は稀である。


繰り返しになるが、
本作では誰がいつどこで何をしているのかが、
まるで迷宮の様に入り乱れている。
だが苦労しながら読むうちに、
この実体が掴めないストーリーラインこそ、
物語の実体である事を理解した。
僕は思う。
ストーリーを理解する必要なんてないのだと。
いやいや分かるぜといった読者がいるのなら、
それはその人が嘘をついているか、
あるいは僕に読解力が足りないか、
きっとどちらかだ。


そうは言っても、
これで終わらしてしまうには、
自分のプライドが邪魔する。
もう少しだけ、
自分がどう読んだかを書き残したい。
さて、
一応話の中心には、
他言語作家の友幸友幸である様だ。
彼は世界各国を旅して、
様々な刺繍を習得し、
同時に現地の言葉で小説を書いている。
正体も不明だし何が書かれているかも不明。
要は全てが謎の作家である。
そんな謎多き作家には、
作家を調査する謎の組織がいる。
友幸友幸の不思議な旅と、
彼を調べる人気達の不思議な話。
…たぶん、
そんな話だ。
それだけで何も分かるはずもない。
だがしかし、
ある意味救いと言うべきか、
この小説には、
ひとつのキーワードがある。
それは着想だ。


小説の中のアイデアは、
ヒラヒラと蝶の様に舞うらしい。
もし物語に不変な事象があるとすれば、
たぶんこの蝶だけだと思う。
エージェント達は、
リアルでも友幸友幸の話の中でも、
着想の蝶を追う。
友幸友幸自身も、
自分の刺繍した網が、
着想という名の蝶を捕まえるのだと悟る。
蝶だけが小説の中をひらひらと舞うから、
その他の風景が変化して歪んで見えるのだ。
いつもどこも誰とかも関係ない。
小説の中で、
発想と着想との間で蝶が舞っているだけ。
だからストーリーを理解しようとしては駄目なのかもしれない。


小説の発想はどこにあって、
着想はどこに止まるのか…。
よく分からないけど、
読み手は、
蝶と一緒に浮遊体験が出来るだろう。
全体を通して流れる世界観は、
詞的でもあり極めて無機質な様にも感じた。
友幸友幸がモロッコで老婆に刺繍を習う話があるのだが、
そこでのやり取りは、
意味も分からぬのが純粋に美しい。
どんなに前衛的とは言え、
この美しさがなければ、
賞の受賞はなかっただろう。
たぶん、
凄く美しい本なのだろうな。
では誰かにこの小説を薦めるか!?
答えは、
ノーである。
やはり難解すぎるから。
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